グラデーション/永井 するみ
こうゆう感じは好きです、owlmanでございます。
読後感がすっきり。
あとを引かないのがいい。
- 作者: 永井するみ
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2007/10/20
- メディア: 単行本
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図書館の開架書架を眺めていて選択。
主人公・桂真紀の14歳から23歳までの心情変化を、1〜2歳毎に描いたもの。
別に、特別な何かがあるわけでもない。
ごくありふれた、一人の人生の一部。
「そう、うまく行くかなぁ」って思うようなこともない。
うまく行きそうなことほど、うまく行かない。
たまたまのことが、たまにうまく行ったりする。
彼女自身も、目立つ存在ではない。
描かれる友人の存在感に比べ、真紀はほぼ全部地味。
そんな事がつらつらと描かれていく。
図書館の本なので、帯は付いていないが、
帯の一部が切り取られて、表紙裏に貼り付けてある。
「成長の足取りを丁寧に描いた、等身大の10年間」
というキャッチは、その通り。
自分の知人の誰かを重ねていたか、という問いに否定はしない。
それくらい、ありふれていて、自然な表現。
そして、それがこの作品の良さ。
読了後にプロフィールを眺めた。
著者、永井氏は東京芸大を中退後、北大を卒業されたそう。
作中に出てくる、H美大ってどこ?って思ってたけど、
北海道のHを取ったんやろうか。
永井氏のことはさっぱり知らないが、
もしかしたら、著者自身がモデルなのかもしれない。
永井氏の受賞著書は、推理系が多い様子。
owlmanは、推理系はあまり好まないが、著書には推理系と思えないタイトルもあり、ちょっと他のも読んでみようかと思う。