利休にたずねよ/山本 兼一


流行りモノに敏感です、owlmanでございます。


ぶっちゃけ、たまたまやけどな。
明日にはインフルエンザに罹ってるかもなw


つい先日、1月15日発表の2008年下半期 第140回直木賞受賞作。


owlmanの読書記録にホットな作品が上がることは少ない。
先日の直木賞候補作からタイトルで選択。
図書館に予約を入れたら、蔵書は貸し出し中やったけど、予約待ちが無かった。
大衆の興味を惹かんかったらしい。
本書刊行が08年11月と新しい割には、と思う。


貸し出し期間中に受賞作発表。
順番が後の人、ごめん。貸し出し期間一杯まで借りた。


利休にたずねよ

利休にたずねよ


かの千利休が秀吉に命じられて切腹させられる、その日を始まりとし、年月を逆に辿って物語が進行する作品。


正直、読み終えるのに非常に時間が掛かった。
読むのが遅いとはいえ、足掛け10時間近いかと思う。
時系列を逆行して進行するので、以前を思い出すために何度も読み返しながら読み進めた。


しかし、そんな若干の読みにくさを差し置いても、非常におもしろい。
主人公の死をスタートとする、暗いイメージを持ちつつであるが、自身の信念を貫き通すという現代が倣いたい一部分もあり、なかなか爽快な読後感やった。
信念の強さの影には、強い想いが秘められているという点も良かった。


利休の生涯については、「最期は切腹した」という教科書レベルしか知らないが、wikipedia:千利休なども参考にすると、おおよその史実に沿いつつ、作品を練り上げたという感じらしい。



大阪では、間違った意味らしい*1が「太閤さん」として400年の時を馳せて名を残す豊臣秀吉の時代の史実がベース。
しかし、400年は長いな。
現代に伝わる史実もどこまで正しいんか、知る由は非常に少ない。
やからこそ、この物語も脚色が可能であり、面白いのかと思う。


過去も現代も変わらぬ人間模様、という印象を残した作品だった。
先に史実の真偽不明といっておいて何やけど、恐らく変わらないやろう。




ちなみに。
それも激しく余談。


外道路線ながらしっかり評価の「文学賞メッタ斬り!」。
その中の本作の書評。
PARCO ONLINE STORE | パルコの公式ファッション通販


いつものように版元に言及。
本作は、初顔のPHP研究所出版とのこと。


初ノミネートでの受賞おめでとう、PHP研究所