沖で待つ/絲山 秋子

沖で待つ

沖で待つ

2005年下期の芥川賞受賞作。
本自体は短編が2つ。受賞作は、比較的ゆとりのある印字で60ページ。読むのが遅いowlmanでさえ1時間以内で読めた。


入社同期、という点で結ばれている二人の秘密について、というのは違うな。
友情とも違う、何か。関係自体が仕事のような、でもそれだけではない何かのような。
知人が死んだ話なのに、重くない。
さらっと流れる話の中に「この関係って、そうゆうもんなんだろう」という感覚が走る。
これって、京都銀行のCMフレーズだな。*1


この後味の良さは好きだ。受賞理由はどうだったのかわからないけど。


ちなみに、受賞理由を調べようと思ってググってたら「重賞より本屋大賞」という人が何人かいた。owlmanもちょっとそう思う。文学的な面白さと、読み物としての単純な面白さはたぶん違うから、本屋大賞のほうが初心者向けな感じで、今のowlmanに合ってる気がする。重賞作品も読まないと読解力は付かないけどな。(4/19訂正:読解力とは関係ない。)

*1:FM802のsunset studioで流れるCM。マイナーすぎ。