赤朽葉家の伝説/桜庭 一樹

順番待ちも楽しみか、owlmanでございます。


これまた順番待ちが長かった。半年くらい?
なんか、半年くらい待つのが苦でなくなってきた。歳だな、これは。




赤朽葉家の伝説

赤朽葉家の伝説

2007年上半期直木賞ノミネート、2008年本屋大賞7位の作品。


本屋大賞ノミネートを知って、え?今頃?、という感じだったが、読んでなかったので読んでみることにした。
本屋大賞は前年11月から集計するので12月出版分は翌年になる。この作品は06年12月末発行。



製鉄業を営む鳥取の旧家「赤朽葉家」の三代の女性の話。
この伝説を語るのは「赤朽葉瞳子(とうこ)」。赤朽葉家に伝わる話はその祖母「万葉」の代から。


この作品は3部構成。
第1部、万葉が赤朽葉家に嫁ぐ前から、嫁いで4人の子供を生むまで。
第2部、万葉の子で瞳子の母である毛鞠(けまり)の激しい生い立ち。
第3部、瞳子がこの伝説を語ることになった、その話。


それぞれ特徴がある。
何でもお見通し千里眼の万葉
何においても天才肌の毛鞠
本人否定するが実は万葉からの隔世遺伝?の瞳子


内容は、あまりいい話は続かない。
次々に人が死ぬのは、桜庭氏の作風か。




話の背景は、ある程度歴史に沿ったものになっているらしい。
鳥取で製鉄とは聞きなれなかったが、ググって見ると、明治〜大正にかけて「たたら製鉄」が鳥取にあったそうな。たたら製鉄が旧式の製鉄法であることは教科書で習ったような気もするが、鳥取とは知らなかった。


作品では、赤朽葉家は近代的な製鉄法を取り入れ、溶鉱炉方式で製鉄している。ただ、少し考えると立地的にちょっと無理があるけど。
そして、実は時代に応じて変化していけることも旧家が続く理由かもしれない。


owlmanは極々一般家庭の育ちなので、こんな旧家の話は、身近でもほとんどない。知った人に古くから農家でその土地に住む家があって、大きな家の話を聞いたことがあるくらいか。
こんな大きな家や歴史ある旧家とかに育ちたかった、と小さい頃思ってたこともあったが、今は普通で良かったと思う。この伝説に限らず、旧家には旧家独特の苦労があるみたいやしな。


にしても、なかなかのボリュームだった。


300ページほどだが2段組みで、結局読みきるのに8時間掛かってしまった。
やっぱ、読むのに時間掛かりすぎか。。。