鼓笛隊の襲来/三崎 亜記

鼓笛隊の襲来

鼓笛隊の襲来

この感覚がお気に入り、owlmanでございます。


第139回(平成20年上半期)直木賞ノミネート作。
owlmanが完全にハマってしまっている三崎氏の作品。


残念ながら受賞はできんかった。
けど、ある書評*1によると、こんなのまず受賞しないらしい。
なんやかなぁ。


三崎氏十八番の見えない何かを描く作品。
9編の短編集。


感想は、印象に残った3編を。

象さんすべり台のある街

高台にある、分譲展開に失敗した新興住宅地に住む親子の家の近く、公園予定地に、ついに象さんすべり台が来た。
このすべり台、意思があります。日本語おk。

「欠陥」住宅

ある日を境に異変が起きたという家。外からは見えてるのに、その部屋には行けない。こちらから見えても向こうからは見えない。逆も然り。

同じ夜空を見上げて

今回のお気に入り。「失われた町」の作風を象徴し、本作にも登場する「消滅」。
古い彼と今の彼。辛いけど、これでよかったんかな。