三井ハイテック会長死去

訃報:株式会社三井ハイテック 代表取締役会長 三井孝昭氏死去。
代表取締役の異動に関するお知らせ


最初に、owlmanはこの会社と何ら関係ない。


三井ハイテック社は、ICの半導体チップを載せる「リードフレーム」を、打ち抜き法での量産化に初めて成功した精密加工会社。詳しいことは三井社のHPにて。
http://www.mitsui-high-tec.com/ja/index.html


故三井会長は、創業者であり、このリードフレームをアメリカから持ち帰り、打ち抜きで生産してビジネスにした張本人。
とかゆう話が、それこそもう15年以上前になるのだが、NHKスペシャル「電子立国日本の自叙伝」の第6回で紹介されていた。
http://www.nhk.or.jp/nhk-archives/nhk-special/library/library_denshi_1.html
wikipedia:電子立国日本の自叙伝


当の番組は、技術の紹介をメインにするが、その歴史や背景・人物の紹介にも力を入れていており、その中でも強烈な印象をowlmanに残したのが、故三井会長の哲学の紹介であった。


解説をされていた相田洋プロデューサーが、独特の哲学を持つ経営者の会社として、三井社の新人教育の一部を紹介。
三井社では、技術方はもちろん、事務方でも、入社後は「やすりがけ」からスタートする、という。水平をやすり出す訓練を経ることで、ものづくりのココロを叩き込む教育法。


相田氏の言葉で、owlmanの記憶のニュアンスになるが、「半導体産業において、アメリカが日本に追い抜かれたのは、ものづくりの基礎を忘れてしまったからではないか」という下りがあって、いわば、「ここに魂あり」といわんばかりの紹介であった気がする。


当時、この番組に強い感銘を受けたowlmanは、「将来は製造業に身をおく」と心に決めた時であり、この三井社の下りもその一つ。


そんな三井社に関して、その後調べることがなく、今日初めて三井社のHPを見た。
製品群には、リードフレームがある。
平成20年の決算報告によると、今でも売り上げの3分の2を占める主力事業だ。


HPには、熱い魂を持つ会長らしく「創業者コメント」なるコンテンツが。全6ページ。
今時、社史にしか載ってなさそうなコンテンツだ。


そして、本当にうれしいことに、NHKで紹介された新人教育プログラムの一つ「やすりがけ」は、21世紀の三井社でも健在であった。
http://www.mitsui-high-tec.com/ja/crp/jinzai_gijutu.html


三井社の後継者には、故三井会長の遺志を永く受け継いでいってほしいと願う。




故三井孝昭会長のご冥福をお祈り申し上げます。