死神の精度/伊坂 幸太郎

死神の精度

死神の精度

2005年下期直木賞候補作。06年本屋大賞3位。


主人公は、死神を職業とし、自身も人間ではない何か、人間界の調査のために人間の姿をしている。
本人が人間でないためか、感情というものが薄い。ないわけではないらしいのが物語。感情がなかったら、たぶんこの話は何も面白くないやろう。
死神としての職業を淡々と遂行する裏で、人間に若干同情している節がある。本人は「私には感覚がわからない」といっているけど。


彼は、人間界の調査官。死の候補者が死に適しているのかどうかの調査を担当する。結局、ほとんどがOKになるわけだが。


彼を含む調査官一同は、音楽が好きならしい。「ミュージック」と称して、どこでもここでも「ミュージック」とくる。間違っていないが、何故か違和感。
うちの親父が音(音楽でなくてもラジオとかでもいい)を聴きたくなったとき、前触れなく「ミュージック」といい出すことがある。違和感はこのせいやと思う。非常に個人的な事情。


6編からなる小説。最終話で一部の話がリンクするので、最後まで読んだらええと思う。