私の男/桜庭一樹

私の男

私の男


かれこれ半年の順番待ちにて回ってきた本。
2007年下半期直木賞受賞作。


父親・淳吾と娘・花との約15年間の物語。


2008年6月から時系列は逆に流れていく。
たまたま今はリアルに近い月日(08年8月)だが、単行本化は07年10月。
第1章は未来の月日で始まる。


花の現況から始まり、死体を共通認識として、さかのぼっていく。
その間の禁断行為、近親相姦。定義通りかどうかはともかく。


近親相姦って、あまり話題にしないので、正直よく分からんが、いろいろあるらしくリンクする。
wikipedia:近親相姦


本人が幸せかどうか、ということは第3者には全く分からない感じがする。
不憫に思う、のは勝手だろう。
どこかに閉じ込められていたわけでもなく、外の世界の情報は通常に入ってきているみたいやし。
例えば親の教育次第であれば、門限がある女の子を不憫に思う、というのと同類かと。
まぁ。普通は不憫までいわないけど、あまりに厳しくいつまでも子ども扱いはどうかと。


物語の時代背景には、現実の北海道が使われている。
2つの大きな事件がキーになっているが、実際どちらも非常に大きな影響を与えた。
それらに巻き込まれた人々の一部始終でもあった。


時々寒いものが走るけど、なぜか話に入り込んでしまう。
一気に読むことが出来た。


桜庭氏著「少女には向かない職業」よりはおもろかった。