ビタミンF/重松 清

ビタミンF (新潮文庫)

ビタミンF (新潮文庫)

2000年下期 直木賞受賞作。以前に読んだ同氏著「流星ワゴン」がなんとなく心に残っていたのでチョイス。


短編7編集。ビタミンFは、正式にはなくなったビタミン。あとがきにあるが、心に働きかけるビタミン、という意味が込められているとのこと。
雑多な日常の中に、ほんのりホッとすることが練りこまれた作品、という感じ。中高生くらいの子供を持つ父親向け、という印象だった。


で、話の内容の印象が非常に薄い。なんだか電車から見た流れる景色を眺めるように、感想が通り過ぎた。印象が薄いという点で、忘れ去ってしまうと思うが、この感想こそ著者が目指した「心のビタミン」だったとしたら、傑作だ。