ぼくの手はきみのために/市川 拓司

ぼくの手はきみのために

ぼくの手はきみのために

市川氏著「いま、会いゆきます」が良かったので、本来借りる予定だった「そのときは彼によろしく」を予約して、棚にあったこの本を読むことにした。


短編3部作。
その中でも印象深かった、ブックタイトルを飾る「ぼくの手はきみのために」について。


「ぼくの手はきみのために」
1回目の読み終わりのときは、もっと続きがほしいところで終わってしまった、と思った。何だかもったいなくて、もう1回読んだ。それで、やっとこ話を理解した。相変わらずowlmanは理解力に乏しい、物覚えが悪い。


話は、全てが過去形。「いま、会いに〜」と同じようだが、過去進行形ではない。
2回目読んだ時、ちょうど物語の真ん中、”ブラジャーを着けるようになった”の2行の下りの重要性に気がついた。
”だから、〜最後になった。”んだった。初めの読み終わった時は、いい事がありますように、と願ったが、この下りを忘れていただけだった。2回目のこの下りを読んで、物語の先にあるものに気がついたとき、込み上げてくるものは、言葉にならない”・・・”だった。


残酷や。