摂氏零度の少女/新堂 冬樹

摂氏零度の少女

摂氏零度の少女

新堂氏がこないだ「R30」に出てて、激動はいい過ぎだが、激しい生き方をしているらしく、これまでの経験を元に小説を書いている方だそうな。


主人公は涼子。高2と思われる。
有名進学校在学。行動は普段から普通でないが、容姿は正統派美少女。
ん?覚えのある設定。この設定、はやってるのか?


出だしから、精神的に少しやられた。自室の書棚に数々の動物のアルコール漬け、動物の薬物中毒症状を経て、人間の薬物症状などが淡々と細かく描写される。
実は読み出したのが病院の待合室。いろいろ想像しながら小説を読む環境としては、ちょっとリアルすぎた。もっとも、内科なので、見た目に激しい症状や外傷をもった人はいないので、自分が病院にいることを過剰意識しながら、という感じ。若干、ここで読むのは少し気が引けかけたが、小説なので気にしないことにした。


途中、意図的なカタカナ描写が多くなり、読み疲れも。
で、メインストーリーは、結局主人公の内面描写のための補助であって、メインではない。
よってメインストーリーはあまり面白くない。端的な表現は避けたいが、ほかに思いつかず、ゆうならベタ。
終章で、再度主人公の内面描写がまとめて行われる。
涼子の考え方が理解できないわけでもない。個人では正しいが、社会では間違い、とでも捉えようか。
なんだか自分の存在も考えされられた。



ひとつ。
「摂氏零度の少女」。絶対零度ではなく、摂氏零度。0Kでなく273K。人間目線で0℃は冷たいが、エネルギー目線では273Kであり、だいぶ暖かい。そうゆう設定だったと思っていいんかな。
ちなみに「絶対零度の少女」をググッたら、トップ6までが、この小説を書いていた。をぃ。