小説・秒速5センチメートル/新海 誠

小説・秒速5センチメートル (ダ・ヴィンチブックス)

小説・秒速5センチメートル (ダ・ヴィンチブックス)

なぜこの本を読むことにしたのか良く覚えていなかったが、あとがきやら出版日やらを見てると、どうも本が出たことが話題になり読んでみることにしたらしい。図書館に予約したのは11月だった。


土曜日、少し大きな病院に行かなければならなかったので、お供してもらった。診察・検査を繰り返し、結局5時間滞在。病院での正味の時間は1時間以下だろうから、残り4時間が合計待ち時間。断片的になったが、たっぷり使わせてもらい、読了間もなく最後の呼び出し、完璧な時間割。病院GJ(違)


遠野貴樹を中心とする、遠野30歳前現在からの回想録。登場人物も同級生や近い人なので、現在も皆同じくらいの年齢のはず。遠野以外の登場人物からの視点は、現在進行形で描かれている。
時期は、遠野自身の中学時代、高校時代、あまり語ることがないという大学時代、就職、転職を経て現在に至る。
遠野に共感できるところが随所にあり、かなり感情移入した。自分もそう思うが、中高時代の経験はその後の人生に大きな影響を与える。
ある手紙が最後に明かされるのだが、これを読むのはきつかった。すべて描き終わって、十分に背景を知らされた後やから。病院の待合室で泣きそうになったわ。
秒速5センチメートル」というフレーズは、自分の記憶とも重なって、忘れないフレーズになりそうだ。


本作、アニメーション映画が原作とのこと。DVDも出ているらしい。見るかなぁ。映像見てしまうと、小説での情景が全部持っていかれてしまうからな。慎重に考えよう。なんだか小説での情景を大事にしたい作品だったしな。